武術探求
海外指導時代
スペインとアメリカでの指導では、主に体力強化とスピードを重視したトレーニングを行ってきました。
中国武術との出会い
太極拳をはじめとする中国武術の理念、技術に触れ、剛柔の調和や呼吸法の重要性を再認識しました。
源流に学ぶ稽古
剛柔流空手の源流が、福建省発祥の白鶴拳(少林拳系)です。
「陰陽・五行・八卦」理論を取り入れた稽古体系構築を目指す生涯武道を始めました。
オンライン指導での発見
コロナ禍を機にzoomを活用した稽古を開始しました。
大勢が一堂に稽古する指導では見過ごされがちだった微妙な違いの可視化が出来る事がわかりました。
また、LINEやメールを併用することで生徒一人一人に寄り添った指導が可能である事がわかりました。
6年間の成果
この指導法を始めて6年目を迎え、5名の有段者を輩出しました。
うち3名は既にインストラクターとして活躍しています。
また、ドバイ、ドイツ、更に9月からはフランスからの参加者も加わわりませす。
現在、地元での地域道場とグローバルなサイバー道場の融合したハイブリット化に挑戦しています。
ゴール:
剛柔流の理念となる「不戦」「護身」「健康・長寿」は沖縄独特の平和感、守礼意識の表れであると考えます。
「自己の確立」と「平和貢献」こそ稽古の先にあるゴールであると思います。
特徴
- 対面とオンラインのハイブリッド対応
- 世界中の人が気軽に参加できる多言語対応
- 初心者から上級者まで、幅広いレベルに対応した指導体制
- シニア向けの健康重視のスロー空手クラス「誰でも空手クラス」
指導対象
- 生涯を通じて空手道を極めたい方
- 将来的に指導者を目指す方
- 心・技・体のバランス向上による健康増進を図りたい方
指導理念
- 健康・長寿
- 有事の護身
- 不戦
剛柔流開祖、宮城長順師範の格言
「空手とは身に寸鉄を帯びず、平時に於いては心胆を練り寿康を計り、急に際しては身を守る術也」
「人を打たず、人に打たれず、全て事なきを良しとする」
稽古概要
- 基本技:
- 受け
- 突き
- 蹴り
- 連続攻防技
- 空手型:
- 太極(上段、中段、下段)
- 掛け受け、回し受け
- 撃砕第一、第二
- サンチン、テンショウ
- サイファー、セイインチン、サンセール、セイサン、セイパイ
- 拳法理論:
- 姿勢
- 発勁法(ケイ)
- 呼吸法
- 意識化法
- 器物法:
- ヌンチャク
指導基準書
剛柔流教範(著者:山口剛玄師範、昭和52年発刊)に基づく、正確で論理的な指導
山口剛玄師範、昭和52年発刊)に沿った正確で論理的な指導を行います。
※剛柔会、山口剛玄先生が空手道学院のテキストとして著した名著です。


稽古での重要座学項目:
重要座学まとめ ⇒ こちら
意識について
気沈丹田:意識は常に丹田に。
内外相合:内なる自分の力に目覚めよ。
用意不用力:意を用いて力を用いず。
姿勢について
立身中正:体の中心線を求めよ。
虚霊頂勁:首筋の力を抜き垂直に。
上虚下実:上体の力を抜き、下半身はしっかりと。
沈肩墜肘:肩の力を抜き、肘を垂らす。
含胸抜背:両腕を寄せ、背を丸く。
十趾抓地:足の指で床を掴め。
収腹促肛:ヘソを上に向けよ。
体の使い方について
剛柔呑吐:剛と柔と呼吸が重要。
動中求静:動中の静こそ真の静である。
相連不断:動きは長江大河のごとく。
上下相隧:全身協調の体動を身につけよ。
全身鬆開:無駄な力みを無くせ。
松腰松胯:腰、股の関節を自由に。
力と勁(意を用いた力)の違い
力は筋骨にたより、勁は筋の連携から発する。
力は有形,勁は無形
力は直線的であり、勁は円である。
力は滞り、勁は伸びやか。
力は遅く、勁や速い。
力は散じ、勁や集まる。
力は浮、勁は沈む。
力は鈍く、勁は鋭い。
剛柔流空手の源流である白鶴拳法理
陰陽
心身一体:心と体は一つである。
攻防一体:攻撃と防御は同時である。
内外一体:アウターとインナーマッスルを同時に使う。
八卦
呑吐:呼吸(息吹、主に腹式呼吸)
浮沈:上下の動き
剛柔:柔で発し、剛で当てる
動静:動注の静が重要である。
覚えるべき3種の勁(意を用いた力)
沈墜勁:重力を活用する
纏絲勁:体、腕の螺旋運動
十字勁:両腕の前後、左右、上下運動
重要語句とその解説
気沈丹田
座禅の基本で全ての動作に共通。
天台宗では
「丹田に心を止めれば道を悟ることも病を治す事も出来る。」
と説いている。
三害(=やってはいけないこと)について
1.怒気:気張って息を止めたままにする。
2.拙力:体を固め無駄な力を込める。
3.挺胸堤腹:胸が張り、腹内の気が上がって丹田の力が抜ける。
攻撃のタイミングについて
「旧力略過、新力未発の機」
初めの攻撃が終わり、次の攻撃に入る“間”を狙え。
速さについて
「速さは静なるに発す。」
技の速さを心掛けるものは己を頼むためにかえって遅い。
必ず法によって為そうとする者は、その技は早くなくともついには
迅速となる。
1部出展:「太極拳に学ぶ、身体操作の知恵」
中国武術研究家 笠尾楊柳氏
オンライン稽古について
6年間のウェブ指導経験から型、基本(突き、蹴り、受け)中心の空手稽古にはオンラインが向いていると実感しています。
一斉稽古では難しかった一人ひとりの細かな動きが画面で可視化出来るからです。
また、生徒も自分と指導者を画面上で比較し、修正が可能となります。(百聞は一見に如かず)
その他、以下の様な長所が上がれれます。
①利便性、継続性:
天候の影響や移動時間、コストが不要。
その為か途中で辞める生徒が圧倒的に少ない。
②情報共有:
動画やデジタル資料などを簡単に共有でる。
③個別指導の容易さ:
生徒とのライン等を活用した個別コミュニケーションがしやすい。
課題と対策
唯一、組手稽古が課題となります。
しかし、定期、不定期で対面稽古を入れる事で対応出来る事がわかりました。
また、特別な器具を使い組手を安全、かつ効果的に自由組手を体得する稽古方も考案しました。
オンライン稽古に関するAI評価
①柔軟性と利便性:
オンライン指導は場所を問わず行えるため、生徒は自宅や任意の場所からアクセスしやすくなります。
これにより、スケジュールの柔軟性も向上します。
②リソースの共有:
オンライン環境では、動画や資料などのリソースを簡単に共有できます。
これにより、指導内容の復習や補完が容易になります。
③個別指導の容易さ:
オンライン環境では、生徒との個別のコミュニケーションがしやすくなります。
質問や懸念があれば、即座に対応できます。
これにより大勢で稽古する道場以上にきめ細かな指導が可能となります。
*基本、型中心の空手稽古では対面と同等またはそれ以上の向上が望めます。
稽古の効果について
身体的効果:
体力の向上: 空手は全身の筋肉を使うため、持久力、筋力、敏捷性などの体力を向上させます。
柔軟性の向上: 空手の動きは多様で、体の柔軟性が必要です。定期的な稽古により、柔軟性が向上します。
バランスの向上: 空手の動きや技はバランスを重視するため、稽古を通じてバランス感覚が向上します。
反射神経の向上: 空手の稽古は素早い動きやリアクションを要求するため、反射神経が鍛えられます。
精神的効果:
集中力の向上: 空手は瞬時の意思決定や注意の集中が必要です。稽古を通じて集中力が向上します。
忍耐力の養成: 繰り返しの稽古や困難な技の習得を通じて、生徒は忍耐力を身につけます。
自己制御の向上: 空手は相手との接触を含むことがありますが、それをコントロールする能力や怒りを抑える自己制御力が向上します。
精神的な安定感: 空手には禅の影響があり、冷静で精神的な安定感を養うことが期待されます。
社会的効果:
礼儀正しさの向上: 空手には礼儀が重要な要素として組み込まれており、相手や師範への尊重が強調されます。
コミュニケーションの向上: 稽古中やクラスの活動を通じて、コミュニケーションスキルが向上します。
国際交流:
武道を通した国際交流は相互理解を推進し、国際平和に繋がるものである思います。